
appreciateという英語の言葉があります。
日本語では「感謝する」と訳されることが多く、
例えば、
I appreciate your cooperation.
というと、「ご協力に感謝します。」という意味になりますし、
I appreciate if you could ~
というと、「〜して頂けたら、ありがたいです。」「~して頂けると幸いです。」という意味になり、
丁寧にお願いすることができます。
ビジネスメールでもよく使われる表現なので、普段から馴染みのある方もいるかもしれません。
ただ、この言葉をもっとよく見てみると、日本語の「感謝する」とは、少しだけ色合いが違うんです。
あくまで私のとっても個人的な意見ですが、同系色なんだけど、色の深みが少し違う・・・ようなイメージ。
たとえば、appreciateはこんな風にも使われます。
I appreciate how beautiful the nature is.
(自然の美しさに感謝します。)
You deserve someone who really appreciates you.
(あなたには、あなたの存在に感謝できる人がふさわしいよ。)
After rainy days, I really appreciate the sun.
(雨の日が続いたから、日差しが本当にありがたいなあ。)
一旦、「感謝する」という意味で訳していきましたが、どうでしょうか?ここで話している人の気持ちを表現しきれているかというと、なんだかもう一つ足りないような気がするんです。
なぜなら、こういうとき、もちろん感謝しているとは思うのですが、そこには
「大切さを感じる」「価値を理解する」という意味も加わっているから。
そういった意味合いで”appreciate”という言葉が使われている、著名人の言葉をいくつか引用してみます。
“Beauty is when you can appreciate yourself. When you love yourself, that’s when you’re the most beautiful.” – Zoe Kravits
(美しさとは、自分自身を大切に思えること。あなた自身を愛しているときが、あなたが一番美しいとき。- ゾーイ・クラヴィッツ)
“Pick the day. Enjoy it – to the hilt. The day as it comes, people as they come. The past, I think, has helped me appreciate the present – and I don’t want to spoil any of it by fretting about the future.” – Audrey Hepburn
(日を選んで、楽しむの。それも思いっきり。1日を、人々を、あるがままに受け入れて。きっとこれまで、過去の存在が現在をより楽しませてくれていたと思うの。未来の心配なんかして、今を一瞬でも台無しにしたくないわ。- オードリー・ヘップバーン)
“If I have any particular appeal to women, maybe it’s because I listen more than other guys do and appreciate how they think and feel about things.” – Ryan Gosling
(もし僕に、女性にとって特別 魅力的な一面があるとしたら、他の男性よりも 女性の話をよく聞いて、彼女たちの考え方や感じ方をきちん理解することじゃないかな。-ライアン・ゴズリング)
最後のRyan Gosling(『ラ・ラ・ランド』『きみに読む物語』等で人気の俳優さんですね!) の言葉には、「さすが!」とでも言いたくなるような、ならないような気もしますが、、
とにかく、この「大切さを感じる」「価値を理解する」というようなニュアンスが、とっても好きで。
わたしもちゃんと、毎日健康に過ごせていることや、周りにいてくれる人のこと、当たり前に思ってしまいそうなことにも、
ちゃんと”appreciate”できる人でありたいです。
英語と日本語は別の言語だからこそ、一言では訳しきれない、表現しきれないニュアンスの「ずれ」みたいなものがやっぱり少しずつあるもので、
それを見つけることも、外国語を学ぶ楽しみの一つなのではないかなと思っています。